contents
日本写真会について
├ 会のあゆみ・活動
├ 会則
├ 入会案内
└ 福原信三(創設者)
本部・支部
会報ダイジェスト
成績速報
お知らせ
お問合わせ
ホーム
日本写真会 会報ダイジェスト 
2005−1・No.309
→ 一覧にもどる
●巻頭言 「都市を撮る」 会長 福原 有一

新年明けましておめでとうございます。

旧年の成果はいかがでしたでしょうか。作品を眺めながら熱燗ですか。また新しいテーマを探している方もおられるでしょう。今年の私のテーマは「都市の風景」です。

 「都市の風景」の原点と言えば、信三の「巴里とセイヌ」(1922年刊)があげられます。「上から見下ろすような俯瞰構図を多用した大胆な画面構成、繊細な光と影の描写、全体に漂うのびやかな詩情」と飯沢耕太郎氏(写真評論家)が述べているように、当時20世紀初頭の写真界に衝撃を与えました。信三がパリに滞在したのは、1913年、第一次世界大戦直前でした。パリは1878年から半世紀で5回を数える万博を開催し、街の様子がどんどん近代化してゆく時代でした。そして市民社会として成熟期を迎えることになります。なかでも1887年エッフェル塔の建築は19世紀後半の近代都市を象徴する建築物となりました。芸術の世界でも新しい試みが次々に生まれてきました。これまで西洋絵画は遠近法の使用から印象派にいたるまで長い間現実に見えるものに似せようとしてきました。しかし、絵画はここにきて実物に似せるのでなく、人間の複雑な内面、感情を織り込もうとし始めました。かれらはこの内面、感情という新しい主題でテクニックを磨き経験を積んでいき、絵画をより心の表現である抽象的なものに近づけて行きました。セザンヌ、ゴーガン、ゴッホ、ロートレック、ムンク、クリムト、など皆さんがよくご存知のアーティスト達の名前があがります。この流れは絵画だけでなくさまざまな表現の世界を改革していきました。この新しい流れの一つにジャポニズム(日本美術の影響)があります。

 フランス人版画家アンリ・リヴィエールは当時フランスでは余り知られていなかった日本美術を研究し、画家ドガとともに日本美術を広めていきました。印象に残った部分、例えば眼や口や鼻を強調して描く写楽の人間表現や、立体画法を無視した北斎の斬新な構図がフランスの芸術家を驚かせ彼らの新しい流れを求める芸術家の自己表現を多様化させました。リヴィエールのエッフェル塔を富士山に見立ててパリの街全体を三十六景に収めた「エッフェル塔三十六景」は名のとおり北斎の「富獄三十六景」を手本にしています。

 一方アメリカの写真界では、テーマの選び方において、自然情景やヌードを尊重していたヨーロッパの傾向に対し、これまで芸術作品にとって未知の分野であった「都市の描写」に取り組む、という新しい流れがうまれました。その流れの中に身をおいたのが写真家アルビン・ラングドン・コバーン(1882−1966)がいました。コバーンはパリ・ニューヨーク・ロンドン・ボストンと精力的に都市を撮り続けましたが、彼は学んだ江戸の風景版画の構図「濃淡」という技法を単なるエキゾチスムの表現の手法に使ったのではなく、風景の遠近感、陰影がもたらす立体感を弱めることにより、見た目の都市の風景にとらわれない作家の心に残る象徴主義的な都市を写し出そうとしました。さて信三の「巴里とセイヌ」を改めて眺めているとき、博労と白馬が静かに河岸にたたずむ一枚。河岸をグラフィックなラインで切り取った「船住ひ」。人影のいない椅子に人影を見る「椅子」という作品。いわゆる名所旧跡はありません。どの作品も浮世絵的大胆な構図、繊細な光と影の描写、そして全体を淡く包む詩情があふれています。信三の中のジャポニズム。まぎれもなく信三は世界の第一線にいたのでしょう。権威づけられた芸術表現の殻を破り、新しい手法を理論と共に作品に仕上げた信三の才能と気概に今更ながら頭の下がる思いです。私も自分の生きてきた人生が少しでも香る写真が撮りたいと.....

●2004−10月例会
◎「第72回夏季大会」入選作品
(高山、白川郷周辺:出品数187点 投票数10票)
会長賞  「山里の朝」   17票(内同人票9)荒井 明
同人賞1席「俄雨」     10票(内同人票6)中田和郎
同人賞1席「陽光」      8票(内同人票6)池田多門
同人賞3席「不思議の時」   9票(内同人票5)福原有一
同人賞3席「露の郷」     6票(内同人票5)山田勝巳
互選賞1席「雨上り」    10票(内同人票4)竹本衡平
互選賞1席「のれん」    10票(内同人票4)山下信行
互選賞3席「松の雫」     7票(内同人票4)白羽雪子

●第25回同人・同友展開催
 ・会期:平成16年11月11日〜19日
 ・会場:新宿コニカミノルタプラザ ギャラリーA
 ・同人24名、同友30名、顧問1名、合計55名の出品。
 ・コニカミノルタプラザ賞受賞者:福原有一、佐藤二郎、
  中島一、山下信行。

●「福原信義賞」と本部例会成績優秀者
 福原信義賞   遠藤侑快
  1位 85票 遠藤侑快
  2位 84票 藤元淳子
  3位 56票 安田富男
  4位 55票 早瀬壽雄
  5位 46票 山本彬夫
  6位 44票 山田重夫
  7位 42票 山田勝巳
  8位 40票 依田健三
  8位 40票 成田静子
 10位 39票 中田和郎
 11位 38票 葛西康隆
 12位 36票 金子庸子
 12位 36票 神原武昌
 14位 35票 星島孝雄
 14位 35票 近藤有代

●2004−11月例会
 ◎「撮影会」入選作品(武藏丘陵森林公園:
  出品数54点 投票数4票)
 「こわいよー」   29票(内同人票11)加藤泰夫
 「狭間秋景」    13票(内同人票2) 三石美枝子
 「爽快」      10票(内同人票3) 丸岡 孝
 ◎「自由」入選作品 (出品数121点 投票数6票)
 「螺旋階段」    15票(内同人票4) 徳永 弘
 「ゆらめく水面」   9票(内同人票3) 三石美枝子
 「ベルージュの路」  8票(内同人票4) 藤元淳子
 「高窓入日」     8票(内同人票5) 池田多門
 「飛鳥」       8票(内同人票3) 成田静子

●2004−12月例会
 ◎「撮影会」入選作品(奥秩父:
  出品数53点 投票数4票)
 「蔦紅葉」     13票(内同人票9) 池田多門
 「渓流秋色」     9票(内同人票3) 山本彬夫
 「小雨の遊歩道」   9票(内同人票4) 今井保俊
 ◎「自由」入選作品 (出品数123点 投票数6票)
 「雨後」      15票(内同人票5) 中田和郎
 「天まであがれ」  13票(内同人票9) 山田重夫
 「冬景」      13票(内同人票3) 中田和郎

● 新支部の設立(平成17年1月1日付け)
□ 備前支部
会 員 数: 14名
支部世話人: 沢田博仁、竹本衡平
会   員: 坂根信義、湯浅堅、木下明、橋本正行、
       田中敏孝、桑田雅明、大饗進、住吉英一、
       野上升、内藤清、角陽子、安井富一
連 絡 先: 〒 703-8262
       岡山市福泊216−6 竹本衡平方

□ 倉敷支部
会 員 数: 7名
支部世話人: 井上一夫、星島孝雄
会   員: 佐倉宗一、田中茂子、坂田武司、白石剛、
       内田吉昭
連 絡 先: 〒 701-2142
       岡山市玉柏1939−3 井上一夫方

top ▲

Copyright (C) JAPAN PHOTOGRAPHIC SOCIETY All Rights Reserved